擬似夫婦 前編





カコーン!






「…と、いうわけで学園長。くのいちを一人、お借りできませんか」
学園長室に、学園長と山田利吉は向き合って座っていた。
学園長はズズズ…と音を立てて茶をすすった。
美味そうに息をつき、湯飲みを盆の上において腕を組み考える。
「む〜、そうじゃのう…。では…六年のを連れて行くがいい」
「はっ、ありがとうございます…」












数刻後のくのいち教室はまるで嵐のようだった。
「ちょっとー!!!あんた利吉さんと仕事ですってえ〜!?」
「羨ましい〜!」
「しかも三日間の泊り込みでしょう!?」
「あたしとかわってえええ!!」
嵐の中心には、、十五歳。
級友たちに圧倒されながらも、憧れの利吉と仕事できる喜びに顔がほころぶ。
「だって、一応これ仕事なんだよー?」
「それでも利吉さんと三日も一緒にいれるなんてええ!!」
すると、教室の障子が開いて利吉が顔を出した。
ちゃん、準備はいいかい?」
きゃあああああ!と歓声が沸き起こる。
黄色い声の渦にも引きもせず、利吉はを待つ。
「すいません、お待たせしました!」
「さ、行こうか」
「はい!」
二人が出て行った後の教室でも、黄色い嵐は止まなかった。










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