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「――――――ッ!!!」

?どうしたの?」
「ごめんっ!後宜しくッ!!!」

そう叫ぶが否や、は畳を蹴り上げて床下へと滑り込んだ。
重力の法則のとおりに畳が元の位置に収まった瞬間、美しい黒髪をたなびかせた六年生
立花仙蔵、十五歳が部屋に飛び込んできた。

一瞬の出来事に、の同室のくのいちは呆然と固まる。
さらりと麗しの黒髪を掻き揚げてポーズを決める。
まるで王子様みたい!
仙蔵は、アニメの某保健委員並みに輝いて、普通の婦女子が見たら
全血液を鼻血として放出し、ぶったおれそうな笑顔を浮かべた。

…。迎えに来たよ」

しかし直後にがすでにいないことに気付く。

は…どこに?」

くのいちは、ちらりとが滑り込んでいった畳に視線を動かした。


















はくの一長屋の、北側の床下から這い出した。
全速力で自室の床下からここまで匍匐前進してきたので、息も切れ切れである。
ちなみに彼女の部屋は、長屋のいっちばん南である。距離にして約50m以上。
さあ、皆で50m全力匍匐前進をやってみよう!
そうではなく。
はここ数ヶ月、仙蔵にアプローチされっぱなしであった。
朝起きれば、仙蔵が横に。
食堂では、隣に陣取られ。
授業が終わる毎に文が送られ。
昼休みには当然つかまり。
夕方には必ず休みの日のお誘いを。
最初のうちは、好意を抱かれてる事を嬉しく思った、が。
これが毎日毎夜2ヶ月続けば避けたくもなるってものだ。
実は仙蔵は同級生で、印象としては、昔から、高貴で冷静で麗しいという
いわば高嶺の花的なイメージがあったのだが、このことでそれは完璧に覆された。

「ったく、立花も何でこんなに…」
「それは愛ゆえさ」
「ぎゃーーーーーーーーー!」

目の前には立花仙蔵。
いつのまにいらっしゃったのでしょうか。
ああ、笑顔が爽やか過ぎて怖い。
神様仏様。
どうか、どうか、お助けを…

「さよなら」
「こらまて」

床下に再度潜り込もうとしたの腕を掴んで引き止める。

「いやー!離してー!犯されるー!」
「はっはっは、私がそんな粗野な事をすると思っているのか?」
「するわよー!!おかーさーん!は、はー!!!」
「はっはっは、まあ落ち着け。昨日の約束は覚えてるよな?」
「約束?」

昨日の記憶を探り出してみる。

、明日こそ、町へ一緒に行こうvvv』
『なんであんたといかんとあかんねん。うちそんなんいややわ』
、なんでそんな関西弁なんだ』
『はいはい、もー気にしないの』
『で、明日は…』
『はーいはいはい、考えとくわよー』

まさかあれを承諾の返事と!?
「さあ!早速ふたりでランデヴーだ!」
「ちょ、ちょちょちょちょちょちょぉっとまって!えーあー、うー、んー、
そう!あたし忍装束だし、こんなカッコじゃ町にいけないから!」
我ながらいい考えだわ!
着替えるということにして部屋に入っちゃえばこっちのもんよ!
いくら立花でも、乙女の着替えを堂々と監視する事なんてできないもんね!
よっしゃあ!さすがあたし!すごいぞあたし!
は心の中でガッツポーズまできめた。
だがしかし。


「お前の普段着ならここに」


仙蔵は懐からの着物をビロビロと引っ張り出した。
は勢い良く、地面にぶっ倒れてめりこんだ。
「ななななななな、なんであんたがあたしの着物持ってんのよー!
「なに、ちょうどお前の部屋で目に入ったから持ってきたまでだ」
「いやー!ストーカー!?」
「ははは、さあ!今日は離さないぞ☆」
「いやー!肩を抱くなー!おかーさーん!」












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これ、違うよね・・・

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