恋は盲目って言うけれども、
恋は盲目って思ってたけれども、

いつからか、どこか冷めたあたしが「恋模様」を観察し、分析し、策略し、
頭で恋愛をするようになっていた。

好き過ぎて好き過ぎて、貴方に踏み込むのが怖くてたまらなくなって、
いつからか、あたしは冷静に、確実な恋をするようになっていた。

こんな「恋愛」、望んでなかった。

こんなことになるんならいっそ、







いっそ、

























いっそ狂わせてくれればいいのに!










































…大丈夫か?」



「うん…。大丈夫、だから…もっと……」

その返答に応じて、長次はぐいと腰を動かした。
最奥にナニが突き当たるたびに、甘い息を漏らし、誘うように腰をくねらせる。
腕を背中に回して、少し伸びた爪を立てる。
彼の性技に悶えるように、胸を彼の胸板に押し付け、肩越しに睦言を漏らす。


全部、彼に好いて貰うために身につけたこと。



彼に飽きられないように、愛してもらうように。
ただそれだけの為に、彼の為に身体を悦楽に沈め込んだ。

ただでさえ寡黙な彼だから、心中察せなくても、愛されてると思い込むために、
愛されるように必死になっていた。


















冷静に、確実に。

















間違いがあってはいけない。
一つでも、間違いを犯せば、そこから全てが崩れ去るから。

完璧な笑顔と完璧な優しさと完璧な体と完璧な甘え方、
完璧な仕草に完璧な涙に完璧な嬌声に完璧な抵抗、
完璧な趣味で完璧な女らしさにで完璧な離れ方で、
完璧な恋人であったはずです。





























いつからだろう、


こんなに計算ずくで動くようになったのは。






































完璧な事で、貴方に愛されるたびにあたしは、




















































あたしは
























































喉を引きちぎって、死にたくなる。






















































「恋は盲目」というけれど、
中途半端に、垣間見る事ができてしまうのは、
あなたを愛していないからなの?

いいえ、
あたしは誰よりも貴方を愛している!!




















































愛しすぎてあたしは臆病になってしまった!




























































冷静で、確実な愛なんて、もういらないから。


何も見えなくなるくらいに、貴方を愛したい!


だから、










だから、

























































いっそ狂わせてくれればいいのに!








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