ダダダダダダダダダ――――――!


ははは、待てー、僕の子猫ちゃん。

うふふ、捕まえれるものなら捕まえてごらんなさーい。










































〜♪そんなに恥らわなくてもいいじゃないか…!」

「うっさい!絶対捕まらないからね!捕まったら舌噛み切るっ!」

















続・仙蔵ファンは見ちゃダメ!












前話から一ヶ月、立花仙蔵との鬼ごっこは未だ続いていた。

「一体どこまでしつこいのよー!もうイヤ―――!」
「イヤよイヤよも好きのうちだ」
「勘違いもはなはだしいわよ!このストーカー!」

二人はかれこれ半刻近く学園中を全速力で走り回っている。
しかもお互い忍者のタマゴ。
追いかけっこの範囲は、床下や屋根の上までに及び、忍術まで繰り出す有様である。

は鍵縄を使って一年の忍たま長屋の屋根に上がった。
間髪入れずに仙蔵も後に続く。
下級生が「すごいねー」などと尊敬の眼差しで見惚れていたりするのだが、
二人ともそれどころではない。
は自分を追いかけてくる男を振り払う手段を考える為。
仙蔵は目の前の女しか目に入っていない為。

神様仏様学園長様!どうかこの変態を追いやってくださいっ!

そう念じながら、は長屋の向こう側に飛び降りる。
すると、その真下には、あの有名な1年は組の三人組。

「あ、先輩だー」
「危ないーっ!どいてどいて!!」

三人組はあわあわいいながら、の着地地点から飛びのいた。
間一髪でぶつからずに済んだが、

「あ、仙蔵先輩だー」

ドゴッ。

今度は避けきれなかった。

「仙蔵先輩何してるんですかー?」
「追いかけっこですかー?」
「ぼくたちも混ぜてください〜い!」
「あああああ!――――!!」

ありがとう、一年は組!
心の底から感謝するわ!

仙蔵が乱太郎・きり丸・しんべえに絡まれてる間に、
は脱兎のごとく逃げ出した。

二年長屋、三年長屋、と廊下を突っ走り、行き着いた先は六年は組の忍たま長屋。

「善法寺!!ちょっと匿って!」

スパーン!と障子が外れんばかりの勢いで部屋に飛び込む。
平和に読書に勤しんでいた部屋の主、善法寺伊作は突然の出来事に目を丸くしていた。

「なに、どうしたの?」
「うん、ちょっと貞操の危機っていうか何ていうか!」
「あぁ、仙蔵かー」
「そういうわけだから床下借りるわね!あとヨロシクゥ!!」

そういうや否や、は畳を持ち上げて床下に飛び込んだ。
そして前回と同様、畳が元の位置に納まった瞬間、仙蔵が障子を開けた。

「や、やぁ仙蔵」
「伊作、ちょっと床板はがさせてくれ」

イキナリばれてるー!!!
は床下でショックを受けた。
善法寺ぃぃぃ、何とか隠しとおしてええええ!
ちょっと半泣き状態になっただったが、上の様子を探る事も忘れない。

「な、何で床板なんてはがすんだい?」
がほふく前進で通過中かも知れんからな」

そうね、確かに前回はほふく前進してたわ。
おかげで肘やら膝やら擦れて、お風呂で染みて死ぬかと思ったわ。

「い…いるわけないじゃないか、そんなほふく前進なんて」
「そうか…。がいないなら仕方ない」

なに!?諦めてくれるの!やったぁぁー!!

「こいつで遊ぶ事にしよう」

そして聞こえてきた声は…。

「善法寺先輩、たすけてくださ〜い!」

ガ――――――ン!1年は組の乱太郎君!!??

「手荒な真似はしたくなかったが…仕方ない」
「あ…っ、立花先輩っ、やめ…」
「ちょ…、仙蔵…!」

なんてこと!
いたいけな一年生を人質に取り、あまつさえ不貞を働くなんて!

「いや…っ、せんぱい…!」

でもここで出て行ったら、私が立花に…!
いや!私のために乱太郎君を犠牲にするわけには行かないわ!
出て行くしかない!!!!

「く…っ、やめなさい立花ァァァ!!!」

ガターン!と物凄い勢いで畳を担ぎ上げ善法寺の部屋に舞い戻った私が見たもの、
それは………。

「あ、先輩」
「作戦成功だな」

どう見ても一年でない体格。
青色の制服。
すかした顔。
立花に綱を持たれてるあんたは…!

「は、は、は、鉢屋三郎ぉぉぉぉ!?」

仙蔵はキラキラしたものを飛ばしながらたいへん爽やかに笑っていた。
じゃあ、じゃあ、さっきの乱太郎君の悩ましい声の正体はこいつっ!?

「ふっ、鉢屋を捕まえてきておいて正解だったな…」
「先輩、俺、一応デート中だったんですけど」

鉢屋が、ボソッと漏らした。
それに対しても、仙蔵はさわやかな笑顔でこう返す。

「心配するな、お前とあいつの間には『愛』があるんだろう?」
「それなら言わせてもらいますけど、先輩たちこそ『愛』があるんなら
そんなに追い掛け回さなくてもいいんじゃ」
「そーよそーよ!愛がないの!」

は悔しいやら腹が立つやらでプルプル震えながらも
ビシッと仙蔵を指差した。

「そうかもしれないな……」

仙蔵は斜め45度となり、哀愁を漂わせた。
珍しい、認めた…!!
その場にいる三人が、そう思った。
だがその瞬間。

「しかし、だからこそ私は真実の愛を掴まえようとしているのかも知れない…っ!」

真 性 の ア ホ だ 。

その場にいた全員が、強く確信した。

「………つきあってらんないわよー!!!」

そう絶叫すると、は再度床下に飛び込んだ!

「ハハハ…今度は逃がさないぞ!」

それを追って仙蔵も床板をはがす。
床下からのガタガタガタッ!というほふく前進の音が遠ざかるのを聞き届け、
三郎がポツリと口を開いた。

「…先輩、俺もう帰っていいと思います?」
「…ん?あ、ああ。いいと思うよ」
「じゃあ、俺もう失礼します…」
「うん、あ、鉢屋。その綱取った方がいいと思うよ」
「あ、そうっすね。…じゃ、お疲れさまっす」
「うん、お疲れ。…お互い大変だね」
「はい、そうっすね」
「それじゃ」
「ども」




の気苦労もたえないが、周りの受難もたえないのであった 。



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